マルチエージェントシステムをサッカーシミュレーションを使ってわかりやすく解説

f:id:MDaiki:20211215140925j:plain
マルチエージェントシステム

マルチエージェントシステムについて聞いたことはあるけど、具体的にどんなものなのかイメージしにくいですよね.

この記事では、マルチエージェントシステムに関して

  • マルチエージェントシステムの概要
  • エージェントの定義
  • 環境の説明
  • 知的エージェント
  • エージェントの構造

Robocupが提供しているサッカーシミュレーションを使用して、具体的にわかりやすく解説します.

マルチエージェントシステム(Multi-Agent System : MAS)とは

マルチエージェントシステムは、多数の自律した主体からボトムアップにシステムを構成する設計手法です.

特徴として

  • システムの故障や停止などが全体の停止に直結しない、システムの頑強性(robustness)
  • システムの拡張・削除が容易である、システムの柔軟性(flexibility)

の2点が挙げられます.

サッカーで考えてみます.
サッカーでは、選手が相互に連携をおこなって1つのチームを形成しています. そして、選手は誰かの指示を聞いて動いているのではなく、その場で判断して行動を決定しています. これにより、選手が1人負傷したとしても10人でサッカーを続けることは可能です. この一部の構成要素が停止してしまっても全体の停止に直結しないという特徴がシステムの頑強性です.
また、試合終盤の局面、例えば0-2で自身のチームが負けているとき、チームは得点を欲します. そのとき、一部の選手を交代することによってチーム全体の攻撃力が向上されます. この環境の変化や要求事項の変化に伴ってシステムの一部を変更できる特徴がシステムの柔軟性です.

エージェント

エージェントの定義

エージェントとは、環境(environment)の状態を知覚し, 行動を行うことによって, 環境に対して影響を与えることのできる自律的主体である

主体というのは、人間やロボットなど、それ自体で1個体をなすものをいいます. また、自律的であるというのは、自身の経験とそれが働く環境に組み込まれた知識の両方に基づいて行動できることをいいます. 自律的主体であっても、環境になんらかの影響が与えることができなければ、環境を外部から観測しているにすぎず、その主体をエージェントと呼びません.

上記の定義をサッカーシミュレーションで例えて言い換えてみます.

プレイヤーエージェントとは, ゴールやボール、敵や味方のポジションという環境の状態を知覚し、パスやシュート、走るなどの行動を行うことによって、環境に対して影響を与えることのできるサッカー選手です.

自律的主体であっても環境に影響が与えられないというのは、観客だと考えます. 観客は試合状況(環境)によって叫んだり悲しんだりと自律的主体な行動を取ります。しかし、これによる影響が環境に一切ありません. つまり観客はエージェントと呼びません

環境

エージェントの説明にでてきた環境について詳しく説明します.

環境とはエージェントの外部にあって, エージェントの意志によって変更できないものすべてをさす

サッカーシミュレータでいうと自身のエージェント以外となります. ボールやゴール、敵や仲間も環境になります.
続いては環境に対する重要な性質を説明します.

アクセス可能とアクセス不可能

決定的と非決定的

エピソード的と非エピソード的

静的と動的

離散的と連続的